ピットフォール
ピットフォール
受診された御家族からよくこういう話をお聞きします。
“最初はかぜや胃腸炎と言われていたけど実は〇〇病や、〇〇炎だったお子さんの話を聞いたことがあり心配です”。
小児科を受診されるお子さんの病気の多くは自然軽快する上気道炎(かぜ症候群)や胃腸炎です。しかし、重症な病気でも最初の症状は上気道炎や胃腸炎と同じことも稀ではなく、最初の診察医はピットフォール(落とし穴)に落ちてしまう可能性があります。なかでも生命を脅かす恐れのある心筋炎は初期症状が嘔吐などの消化器症状で胃腸炎と最初に診断されることがよくあります。
川崎病も発熱を来す感染症と診断されて治療開始が遅れると冠動脈瘤の合併が起こり後遺症を残すことになります。病気によっては診断するのにたくさんの検査が必要で時間がかかる病気もありますので一概に最初の診察医を責めることはできません。
私たち小児科医にとって重症の患者様を見落とすことなく見つけ出すことは永遠のテーマであり小児科医の使命であると思っています。
当院では長年の小児診療の経験をもとに積極的に血液検査や超音波検査(エコー)も使用し、重症疾患の早期発見、診断に努めて行きます。