嘔吐、下痢、消化管出血(主に血便)|うちやま小児科こどもクリニック【高槻市富田丘】

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嘔吐、下痢、消化管出血(主に血便)

嘔吐、下痢、消化管出血(主に血便)|うちやま小児科こどもクリニック【高槻市富田丘】

嘔吐

嘔吐、下痢、血便

嘔吐はお子さんにとってもご家族にとっても不快でつらい症状の一つです。
その多くは流行性のウイルス性胃腸炎(ノロウイルス等)や上気道炎(かぜ症候群)に伴うもので自然に良くなることが多いです。嘔吐はお腹の病気以外の原因でも起こります。
尿路感染症や髄膜炎などの感染症、頭蓋内圧が高くなる病気(水頭症や硬膜下血種等)、心臓の病気(心筋炎等)にも嘔吐を伴うことがあります。
嘔吐は年齢によって原因となる病気の頻度が違います。

新生児~早期乳幼児期(~3か月)

赤ちゃんの吐き戻し(胃食道逆流現象)はどの赤ちゃんにもよくみられますが、哺乳のたびに吐いたり、体重が増えなかったり、吐いたものが黄色や緑色だったり、血が混じっているようなら早期の受診が必要です。外科的処置が必要な病気(肥厚性幽門狭窄や腸回転異常等)やミルクアレルギー等の可能性もあります。

乳幼児期~学童期

集団生活を始めると流行性のウイルス性胃腸炎にかかる機会も増えます。また発熱や疲労に伴って食事がとれないとケトン性嘔吐症(周期性嘔吐症)になるお子さんも多いです。
いずれも点滴などの対症療法でよくなることが多いです。この時期に起こる嘔吐で、緊急性のある病気として代表的なものに腸重積や鼠経ヘルニアの嵌頓、急性虫垂炎などがあります。

嘔吐症状だけではなく、“機嫌が悪い”、“あやしても泣き止まない”、“顔色が悪い”などの症状があったり、腹痛などの症状もあるようなら早期の受診が必要です。
嘔吐の診察では問診も大切になります。吐いたものがどのようなものかは携帯の画像に保存して見せください。保育園や幼稚園、学校の流行歴、症状が出る前に食べたり飲んだりした物の情報も大切です。お子さんの体重も診断や治療方針の決定に重要ですので症状が出る前の体重の記録もまめに行っておきましょう。当院では外科的処置が必要な病気(肥厚性幽門狭窄、腸回転異常、腸重積)や心筋炎の早期診断のために超音波検査(腹部エコー、心エコー)も用いて診察を行います。胃腸炎やケトン性嘔吐症などは点滴や自宅で出来る経口補水療法(ORT oral rehydration therapy)が効果的です。

病気によっては入院して詳しい検査や治療が必要になりますので入院検査治療が可能な施設に紹介させていただきます。

下痢

下痢は頻回の排便と水様便がみられるお子さんによく見られる症状です。
小児の下痢は嘔吐と同じようにお腹の感染症以外にも上気道炎(かぜ症候群)などでも起こることがあります。
その多くは急性で、流行性のウイルス性胃腸炎(ノロウイルス等)による症状で、嘔吐を伴うことも多く腹痛や発熱の症状がないこともあります。細菌性腸炎(キャンピロバクター、サルモネラ、病原性大腸菌)の場合は腹痛や発熱を伴うことが多く、血液や粘液交じりの下痢がみられることもあり注意が必要です。
2週間以上下痢が続く原因に慢性非特異性下痢症(乳幼児下痢症)があります。
生来健康なお子さん(6か月~5歳)で、毎日2~4回以上、腹痛を伴わない多めの軟便があり、体重減少が見られないものです。特別な治療は必要ありません。

また、ウイルス性胃腸炎の後に下痢が2週間以上続く腸炎後症候群もよく見られます。
小腸の粘膜障害のため2次的に乳糖を分解できなくなり下痢が長引くするとされています。
アレルギーが関与する食物誘発性腸炎や好酸球性腸炎なども下痢が長引く原因とされています。
学童期には腹痛や体重減少、血便も伴う炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病)や機能性胃腸障害(過敏性腸症候群等)も長引く下痢の原因として考える必要があります。

下痢も嘔吐と同様に周囲の流行歴や食事歴が重要です。便は画像に残して診察の時に見せてください。下痢は病気の診断も大切ですが同時に脱水の評価が重要になります。
症状の出る前の体重は、脱水の評価と治療方針に重要となりますので体重の記録はまめに行っておきましょう。脱水の程度に応じて点滴治療が必要になります。病気によっては入院して詳しい検査や治療が必要になりますので入院検査治療が可能な施設に紹介させていただきます。脱水の程度が軽度なら自宅での経口補水療法(ORT oral rehydration therapy)を行いましょう。母乳栄養の乳児は母乳を続けてください。人工乳の乳児ではミルクを希釈する必要はありません。

消化管出血

小児の消化管出血には大人と同じような病気のこともありますが、嘔吐と同じように年齢によって病気の頻度が違います。小児期に最も多い消化管出血は主に血便です。鮮血色やタール色など様々で出血する部位によって変わります。稀に吐血もありますが鼻血を飲み込んで嘔吐したりすることも多いです。

乳児期

肛門裂傷(おむつかぶれや便秘等)やリンパ濾胞増殖症では便に点状や線状の出血を認めることが多く元気なお子さんでも見られます。
ミルクアレルギーによる吐血や血便があります。人工乳の開始と同時に症状が出ることが多いです。出血症状が出る前に人工乳哺乳後の嘔吐を伴うこともあります。重症化することもありますので早期の受診が必要になります。
腸重積は乳幼児期に代表的な血便を認める病気です。血便だけではなく嘔吐や不機嫌、間歇的な腹痛も見られることが多いです。血便はイチゴゼリー状の粘血便が典型的です。
早期の受診が必要です。

乳幼児期~学童期

細菌性腸炎(キャンピロバクター、サルモネラ、病原性大腸菌等)は下痢や腹痛と同時に粘血便が見られます。胃、十二指腸潰瘍、メッケル憩室、ポリープ、も吐血や血便、下血の原因になります。嘔吐が頻回になると胃と食道の間に裂傷ができ吐物に血が混じったりすることがあります(マロリーワイス裂傷)。IgA血管炎では紫斑(出血班)が腹痛や血便より遅れて出てくることがあります。炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病)も年長児に血便を認める病気で、持続する腹痛や体重減少も重要な症状です。

消化管出血は病気の診断も重要ですが出血量が多いほど重篤な状態になる可能性があります。“顔色が悪い”、“元気がない”などぐったりしている様子があれば救急受診しましょう。
腸重積や細菌性腸炎、IgA血管炎は腹部エコー検査が有用ですので当院での検査は可能です。血便の診断は問診も大切です。生肉の生食(お肉類の生焼けも含む)やペットの飼育歴(カメやザリガニ)は細菌性腸炎を疑う重要な情報です。鼻血が出たり、口の中の怪我がないか、飲食物でイチゴジャムやケチャップ、海苔やイカ墨の摂取がないかの確認は大切です。吐血や血便と紛らわしい時があります。

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