発熱
発熱
発熱は子どもの受診で最も頻度の高い訴えの一つです。
37.5℃以上を発熱と考えます。発熱は免疫機能の増強や直接的な抗病原体作用などのメリットがある反面、お子さんにとってはつらい症状であり“ひきつけ”(熱性けいれん)を起こすこともありご家族にとっても心配な症状でしょう。
小児期にみられる発熱の多くは自然に良くなる上気道感染症(いわゆる“かぜ症候群”)で2~3日で解熱することが多いですが、生後3か月未満の発熱には重症細菌感染症(髄膜炎、尿路感染症、肺炎等)が隠れていることがあり早期の診断、治療が必要なときがあります。また、発熱に伴って“顔色が悪い”、“元気がなく機嫌が悪い”、“いつもと様子が違う”、などの症状があるときも早急な対応が必要になることがあります。4~5日以上発熱が続く場合は感染症以外にも川崎病や非常に稀ですが膠原病や悪性疾患等も念頭に置いた対応が必要になります。
当院では診察以外に発熱の原因検査として病原体迅速抗原検査(インフルエンザ、コロナウイルス、アデノウイルス、RSウイルス、ヒトメタニューモウイルス、溶連菌、マイコプラズマ等)や血液検査(白血球数、CRP)を行い病気の診断を行います。また、川崎病の早期発見のため超音波検査(心エコー、腹部エコー、頸部リンパ節エコー)も行います。病気やお子さんの状態によっては入院検査・治療が必要なこともあり状況に応じた対応を行います。
解熱剤の使用ですが病気の状態が把握されてから、医師の指示のもとで安全に使用してください。
幼稚園や保育園などに通いはじめたころは体調も崩しやすくなります。
お子さんの様子を十分に観察して適切に対応しましょう。
菌血症(血液中に細菌が存在する状態)、化膿性髄膜炎、化膿性骨髄炎、化膿性関節炎、尿路感染症、肺炎が代表的な疾患です。このうち1/3~1/2は菌血症を伴っています。早期に診断、治療(主に抗生剤・抗菌薬投与)が必要で時には生命にかかわることもあります。
4歳以下の乳幼児に好発し、多臓器にわたり、小・中血管の炎症が起こる原因不明の病気です。
症状は①発熱、②眼球結膜(白目)の充血、③口唇紅潮、イチゴ舌(赤い唇、イチゴの表面のような舌)、④発疹(BCG接種跡の発赤を含む)、⑤手足の硬性浮腫(固くてむくんだ状態)、手のひら、足の裏、指先の紅斑、⑥頸部リンパ節腫脹(くびやあごの下の腫れ)が主な症状です。
診断や治療が遅れると冠動脈(心臓自身を栄養する血管)が炎症により膨らんで冠動脈瘤になります。冠動脈瘤の中に血栓(血の塊)ができると心筋梗塞を起こし生命にかかわることがあります。